今日は、著作権問題を整理してみます。
~目次~
著作権侵害とは?
著作権のあるもの(写真、音楽、文章など)を権利者の許可を得ずに利用した場合に著作権侵害に問われます。
でも、親告罪なので、著作者が訴えなければ罪には問われません。
また、引用元を明記して引用する必要が認められる場合も、違反にはなりません。私的利用も、問題はありません。
今回は、「踊ってみた動画」のようにネットにアップする著作権について主に考察していきます。
第三者が指摘しても罪には問われません
例えば、あるアーティストの作品を、第三者が無断で利用しSNSにアップしたとします。
それに対し、ファンが「著作権侵害ですよ!!」
といくら言ったり、炎上したところで、第三者には訴える事は出来ませんので、当事者であるあるアーティストが訴えなければ罪にはなりません。
とは言いましても、実質、目の届かない著作権侵害が権利者の知るところになり、対処する可能性もあります。
「踊ってみた動画」「歌ってみた動画」は!?
今では、オリジナルの作品が2次的、3次的に利用されることにより、ますます1次作品が広まるケースも多いですね。著作権者も、有名になり利用者も収益を上げる場合がほとんどなのでWin-Winの関係にも見えますが。
実際には、著作権者の作品を無断で利用して、第3者が収益を上げているので、直接的に著作権者の利益に還元していないので、著作権法違反に問われる可能性はあります。
しかし、一部悪質なケースを除き多くはファンが2次的に利用しているので厳しく対処しづらいし、実際に宣伝効果もある。と言う側面もあるようです。
逆に、著作権違反を気にして投稿を控えるファンもいて、明快なルールで投稿出来る仕組みがあれば、関連市場の規模は現在の1兆2千億円から2兆6千億まで倍増すると見られています。
様々な、ディレンマを抱える著作権ですが、その仕組は少しづつ整っています。
ユーチューブの場合
動画投稿で収益を上げると言えばユーチューブですが、JASRACによると
「他のアーティストの楽曲を(楽器で)演奏している様子を動画配信する場合、私どもと使用料の授受も含む許諾契約(公衆送信権や複製権の一部)を締結しているユーチューブなどのプラットフォームを利用していれば、権利保有者(音楽出版社など)に許諾を取る必要はありません」(広報担当者)
条件としては、あくまでも自分で演奏しているケースなので、バックで音源を流している場合は許可が必要な様です。
詳しくは、ハラミちゃんほか演奏系ユーチュバー人気沸騰 名曲コピー動画に著作権は発生する?
歌ってみた動画を投稿する場合は、バックに音楽を流していない動画を投稿する必要があるようです。
そう言えば、ユーチューブの場合は、自動検出で著作権に引っかかった場合
「この動画は収益化出来ません、収益は著作権者に入ります」
などの案内がありますので、テレビ番組の録画映像など、他人のコンテンツをそのまま流用したケースでなければ、直ちに著作権違反とはならず著作権者に収益が入る仕組みになっているようです。
とは言いましても、後述しております、ファスト映画の場合はこのケースで罪に問われましたので注意が必要です。
デジタルデータのオリジナル証明
現代の著作権問題は、デジタルデータが簡単にコピー出来る事にも原因があると言えます。
今では、NFT(Non-Fungible Token:非代替性トークン)(偽造不可な鑑定書・所有証明書付きのデジタルデータ)の技術が開発されています。
エイベックスがNFTを利用した著作権問題に対応する
エイベックスは、NFTを利用し、その作品を加工して利用したとしても、一次の著作権者に利用料が還元される仕組みとなっています。
今後は、こういった仕組みが発達していくと思われます。
放任、黙認されていた著作権問題も整理されつつある
ゲーム市場
グレー市場とも言える著作権問題ですが、少しづつルールが整ってきています。
例えば、ゲーム配信なども昔は、開発会社も黙認しておりましたが、近年では2次的に配信することによる収益も大きくなりその市場も無視は出来ないので、ゲーム動画の配信は著作権違反ということを明示し、ゲーム配信するなら自社のプラットフォームなどで行い利益が還元されるようにしていますね。
実際に、現在では著作権違反のゲーム配信は、警告、訴えるまで進むようです。
「違法ゲーム実況配信」を行った20代男性に届いた弁護士からの「恐怖のメール」
漫画市場
近年、世間を騒がせた漫画村の事件は皆さんもご存知だとは思いますが、漫画村は明らかな著作権違反で、もっと早く検挙されるべきでしたね。
漫画の無断転載による被害額は数百億円から数千億円にも登ると言われていますので、漫画村の事件もきっかけになり、漫画の転載はもっともっと厳しく管理されるでしょう。
今でも、Twitterなどでは漫画の一コマを転載しているTweetは多く見かけられます。ほとんどは悪気の無いもので、閲覧する人にとっても楽しめる転載ではありますが、著作権違反には変わりないですね。
しかし、ここでも難しい問題は、多くはその漫画が好きなファンが悪気なくスクショ転載などしている点ですね。
漫画家の中には、漫画家『佐藤秀峰』にきく「前例なき大ヒット漫画の二次使用フリー化に挑む理由」のように、2次使用で拡散していくことを容認する考え方の方もいらっしゃれば、転載禁止を呼びかける漫画家もいらっしゃりますね。
悪気のない、著作権違反者の場合は、好きな漫画家が「転載」しないでと呼びかけたら守るのではないでしょうか。
テレビのスクショと女子アスリートの撮影画像
こちらもタイムリーな話題ですが、今は女子アスリート競技画像がアップロードされる事も問題となり選手を守る動きが加速しています。
女性アスリート画像の無断転載、計1億2千万円の広告収入か「逮捕されるとは思わなかった」
しかし、この問題は本来の案件とは少し違う、別件逮捕とも言えます。本来は、競技場で女子アスリートの撮影映像が問題ですが、今回のケースでは撮影をする行為などに言及出来たわけでは無く、難しい問題であるようです。(それに、女子アスリート撮影問題と、本記事の著作権違反は別の問題なので詳しくは言及しません)
本件の問題は、盗撮行為を取り締まった訳ではなく、あくまでのテレビのスクショを利用していた著作権違反で検挙されたという事です。裏を返せばそれだけ今は著作権違反が立件しやすいという事です。
現在でも、テレビのキャプチャ画面や、録画映像はネット上に溢れていますが、近い将来厳しく取り締まられるでしょう。
ファスト映画、書籍の紹介
10分で結末「ファスト映画」はびこる背景 投稿者が語った「錯覚」とは
こちらが、一番タイムリーな事件ですね。
ファスト映画が事件化されるのは国内初という事で、これからの著作権問題にも大きな影響を及ぼすと考えられます。
元々、映画の紹介、感想などは溢れていますし、中にはネタバレもあります。
書籍などは、分かりやすくまとめた動画を配信する有名人もいます。
こちらもグレイゾーンと言えますね、あくまでも映画を人に知ってもらいたい、自分の感想を述べたいだけだと著作権違反しているとは言えません。
本件の場合は、DVDを違法コピーして、その映像、静止画を転載している事や、巨額の収益を得ているので、やはり違法性が高いですね。
個人がSNSなどで、ちょっとスクショを掲載して感想を述べるのとは、訳が違います(これも違反ですが・・・)。
ユーチューブを見ていると、書籍を分かりやすくまとめた動画も多く見られます。こちらは今のとこと事件化はしていませんが、書籍の紹介の枠を越えて、動画を見れば書籍の内容を理解出来る構成になっており、それによって投稿者が収益を得て、且つ書籍を手に取る必要性がなくなるので、近い将来著作者の団体などが声を上げ、取り締まられるでしょう。
結論
結論としましては、誰かの作品を無断で利用することは、著作権違反ではあるけれど、著作権者が訴えない限りは罪ではない。
現状、ファンによる掲載行為などは黙認されている状況と言えます。
また、多くの人が転載しているものを全て取り締まるのは事実上不可能ですね。もし、ファンによる拡散活動を厳しく制限してしまえば、拡散活動も制限することになるので難しい問題です。
かといって、公認してしまうのも問題がありそうです。
上記の件のような悪質なケースは別として、2次使用などが問題になった場合、いきなり訴訟ではなくて警告などを送ってくるのが一般的です。また、権利者がやめてくだと発信するケースもあります。
まさにケース・バイ・ケースですが、そのようなアクションが合った場合は素直に謝罪と対応すべきですね。
法令の整備に期待
結論のない、煮え切らない答えとなってしまいましたが、一昔前の著作権の問題と、現代の、誰でも簡単にコピー出来て、簡単にアップロード出来て、大衆に見てもらった上に収益化出来る状況にはそぐわない法令だとも言えます。
菅首相「企業の知財戦略を強化することは、文化的に豊かな社会をつくるための重要な課題」
「デジタル配信に関する著作権処理を円滑にする仕組みを新たにつくり、さまざまなコンテンツを迅速に国民に届けられるようにする」権利者の特定が困難な過去作品や、スマートフォンの普及で個人がSNSに投稿した動画など、コンテンツを利用する場合、著作権がどこにあるか明確にする作業に時間や手間がかかる。このため、著作権の窓口を一元化し、利用しやすい制度を目指す。年内に結論を得て、著作権法の改正などに取り組む方針だ。
著作権窓口を一元化 アニメや音楽配信―政府が推進計画決定 より一部抜粋引用
まさにここにあるように、このデジタル時代において、従来の著作権の決まりは曖昧で分かりにくく、対応し辛いですね。
おそらく、ファンによる、悪質でない著作権に違反するかもしれない案件に関しては、この先認められるのでは無いでしょうか、その代わり確実に収益は著作権者の利益になるような仕組みが整ってくるでしょう。
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